改葬の手続きは、自分でできます

資格はいりません。用意する書類は3つだけです

墓じまいの役所手続き(改葬許可の申請)は、 資格がなくても、ご本人やご家族が自分で申請できます。 代行を頼まなければできない手続きではありません。 ここでは、法律の決まりと書類の書き方、北海道の市町村ごとの違いを、公式情報だけでまとめました。

根拠となる法律
墓地、埋葬等に関する法律 第5条は 「改葬を行おうとする者は、市町村長の許可を受けなければならない」と定めているだけで、 申請できる人を資格者に限る決まりはありません。 必要な書類も同法の施行規則 第2条にはっきり書かれています。

申請するのは「いま遺骨がある場所」の役所です

いちばん多い間違いがここです。法律(第5条第2項)で 「遺骨が現にある場所の市町村長」と決まっています。 引っ越し先の役所ではありません。

いまのお墓 函館市
移す先 札幌市の合葬墓

改葬許可を申請するのは 函館市役所です

用意する書類は3つだけ

  1. 1 改葬許可申請書

    自分で書く

    市町村のサイトからダウンロードできます。書く内容は法律で決まっており、亡くなった方の本籍・住所・氏名・性別、死亡年月日、埋葬(火葬)した場所と年月日、改葬の理由、移転先、申請者の住所・氏名・続柄です。

  2. 2 埋蔵(収蔵)証明書

    今のお墓の管理者に書いてもらう

    いま遺骨があるお墓・納骨堂の管理者が書きます。申請書の証明欄に押印してもらう方式の市町村もあります。

  3. 3 移転先が分かるもの

    移転先からもらう

    受入証明書や使用許可証。施設名と住所が分かるパンフレットで足りる市町村もあります。

改葬許可の申請は役所の窓口で受け付けます(イメージ)

お墓の使用者ご本人以外が申請者になるときだけ、 使用者の承諾書が追加で必要です(施行規則 第2条第2項)。 ご家族が手伝うぶんには、資格も費用もいりません。

市町村ごとの違い(手数料・郵送)

手数料は市町村でバラバラです。無料のところもあれば、遺骨1体ごとにかかるところもあります。 遠方にお住まいでも、郵送で受け付けてくれる市町村が多くあります。

市町村 手数料 郵送申請 代理・委任の扱い
札幌市 無料 できる(返信用切手490円分を同封) 親族が代理で申請するときは委任状は不要。ただし使用者以外の名前で許可証を出すときは使用者の承諾書が必要
旭川市 申請自体の手数料はサイトに記載なし(要確認) できる 使用者本人用と本人以外用で記入例が分かれている
釧路市 無料 できる 申請できるのは墓地使用者または親族
函館市 サイトに記載なし(公園河川管理課へ確認) サイトに記載なし(要確認) 民間墓地から移すときは、申請書に墓地管理者の押印をもらってから提出
稚内市 遺骨1体につき200円 できる(現金書留で申請書・収蔵証明・手数料・本人確認書類の写しを送る) 窓口では申請者の本人確認書類が必要
倶知安町 遺骨1体につき300円 できる(手数料は定額小為替) 使用者本人以外が申請するときは、今のお墓と移転先の両方の使用者から委任状が必要

※ 掲載していない市町村も、多くは同じ流れです。手数料と郵送の可否だけ、電話で確認してから進めるのが確実です。

つまずきやすいところ

申請先は「移転先」ではなく「いま遺骨がある場所」の役所

法律で「死体又は焼骨の現に存する地の市町村長」と決まっています(法第5条第2項)。函館のお墓から札幌へ移すなら、申請するのは函館市です。ここを間違えると受け付けてもらえません。

埋蔵証明は、今のお墓の管理者に書いてもらう

申請書には「埋蔵(収蔵)の事実を証する書面」を添えます。様式の証明欄に押印してもらう方式か、別紙の証明書を出してもらう方式かは、お墓ごとに違います。先に管理者(お寺・霊園事務所・役場)へ「どちらの方式ですか」と確認しておくと二度手間になりません。

遺骨が複数あるときは、体数分の申請書

「1体につき1件」が原則です。函館市や釧路市は複数体用の別紙様式を用意しています。手数料がある市町村では、体数分の手数料がかかります(例: 稚内市は3体で600円)。

名義人が亡くなっている場合は、先に承継(名義変更)

小樽市は「使用者以外の方は手続きできません。使用者がすでに死亡していた場合は承継が必要」と明記しています。承継には戸籍謄本や親族の同意書が必要になることが多く、ここが一番時間のかかる部分です。

移転先が決まっていないと許可は出ない

申請書に「改葬の場所」を書く欄があるため、移転先の施設名と住所が必要です。倶知安町は「改葬先の所在地が未記入だと許可証を発行できません」と明記しています。先に合葬墓や納骨堂を決めて、受入証明書や使用許可証をもらっておきましょう。

古い記録が分からなくても申請できる

倶知安町は「分からない箇所は『不詳』と記入してください。ただし死亡者の氏名・性別・改葬前の場所・改葬先の場所・申請者欄は必ず記入」と案内しています。何十年も前のお墓で死亡年月日が分からない、という相談は珍しくありません。

許可証が出るまで数日かかる

稚内市・倶知安町はどちらも「数日単位で余裕を持って申請を」と案内しています。移転先の施設は改葬許可証がないと遺骨を受け取れません(法第14条)。工事や納骨の日程は、許可証が出てから決めると安全です。

それでも頼んだほうがよい場合

次のような場合は、ご自分でやるには負担が大きくなります。

  • お墓に「誰の遺骨か分からない」ものが含まれている(無縁墳墓) — 法律で、官報への公告と、お墓の見やすい場所への立札の掲示を1年間続けることが必要です (施行規則 第3条)。官報の掲載費用も別途かかります。
  • お墓の使用者の承諾がどうしても得られない — 裁判の書面が必要になる場合があり、弁護士に相談する領域になります。
  • お寺が埋蔵証明を書いてくれない — この場合、いきなり有料の代行に頼む前に、まず役所の窓口へご相談ください。 「特別の事情があるとき」は、市町村長が認める別の書面で申請できる決まりがあります。 消費生活センターも無料で相談に乗ってくれます。

費用を払って他人に頼めるのは、行政書士です。 役所に出す書類を、報酬をもらって作成・代理できるのは行政書士と法律で決まっています(行政書士法 第1条の3)。 石材店や代行業者が手続きを代行する場合も、正当な申請者からの委任状が必要です。

あわせて確認

出典: 墓地、埋葬等に関する法律/同法施行規則(e-Gov法令検索)、 札幌市・旭川市・函館市・釧路市・稚内市・倶知安町・小樽市の各公式サイト、 東京都消費生活総合センター。(2026-07-28時点) 掲載内容は各自治体の公式サイトをもとにまとめたものです。料金や条件は変更されることがあります。お申し込みの前に、必ず各自治体にご確認ください。