お墓を片づける(墓じまい)
費用の内訳と手続きを、北海道の事情にそって説明します
いまあるお墓をたたんで、土地を管理者に返し、 遺骨を別の場所へ移すことを「墓じまい」といいます。 役所の手続きの名前では「改葬(かいそう)」といいます。
北海道の改葬は2024年度で 14,628件。 47都道府県で最も多い件数です。 めずらしいことではありません。 くわしい数字を見る
費用は「どこに払うか」で4つに分かれます
「墓じまいはいくら」と一言で言えないのは、 払う相手が4つに分かれていて、それぞれ性質がちがうからです。 まずこの4つを分けて考えると、見積もりが読めるようになります。
| 払う相手 | なにに | 金額の性質 |
|---|---|---|
| 役所 | 改葬許可の申請 | ほぼ無料(無料〜数百円)。市町村ごとに決まっている |
| 移し先の施設 | 合葬墓・永代供養墓などの使用料 | 金額が公表されている。 市町村の合葬墓なら1体あたり1万円前後のところもある。 市町村ごとの金額を見る |
| 石材店 | 墓石の撤去・処分、土地の原状回復 | 見積もりが必要。 お墓の広さ、石の量、重機が入れるか、通路の幅などで大きく変わる |
| お寺 | 閉眼供養のお布施、離檀(りだん)の際のお礼 | 定価がない。 地域やお付き合いの長さによる。まずご住職に相談する |
「総額◯◯万円」という数字だけを信じないでください。 広告に出ている金額の多くは、上の表のうち石材店の工事費だけを指しています。 お布施や移し先の使用料は含まれていないことがほとんどです。 見積もりを取るときは「この金額に何が含まれていますか」と必ず聞いてください。
手続きの流れ(7つの段階)
- 家族・親族に相談する /0円
あとから「聞いていない」ともめるのが一番多い失敗です。お墓に入っている方の子・孫にあたる方には、先に話を通しておきます。 - 今のお墓の管理者に伝える /0円
お寺の墓地ならご住職に、市町村営や民間霊園なら管理事務所に連絡します。返還の手続きや、原状回復の条件を確認します。 - 遺骨の移し先を決める /施設による
市町村の合葬墓、お寺や民間の永代供養墓、樹木葬、納骨堂などから選びます。先に移し先を決めないと、次の許可申請ができません。 - 改葬許可を申請する /無料〜数百円
今のお墓がある市町村の役所に申請します。「受入証明書」(新しい移し先が発行)と「埋蔵証明書」(今の墓地の管理者が発行)が必要です。 - 遺骨を取り出す(閉眼供養) /お布施
お寺の墓地では、僧侶にお経をあげてもらってから取り出すのが一般的です。宗派や地域で呼び方が変わります。 - 墓石を撤去して土地を返す /工事費
石材店に依頼します。多くの霊園では「更地に戻して返す」ことが条件です。北海道では雪のない時期しか工事できません。 - 新しい移し先に納骨する /施設による
改葬許可証を移し先に提出して納めます。合葬墓は納骨できる日が決まっていることがあります。
全体で3か月〜半年ほどみておくと余裕があります。 北海道では工事のできる時期が限られるため、 冬に思い立ったら、春の工事に向けて準備を始めるのがちょうどよい進み方です。
北海道でいちばん見落とされる「雪」
全国向けのサイトにはほとんど書かれていませんが、 北海道ではおおむね12月から3月にかけて、墓石の撤去工事も納骨もできません。 雪で墓所に入れず、地面も凍っているためです。
- 石材店が工事を受けられるのは、雪が解けてから降るまで(おおよそ5月〜10月)
- 市町村の合葬墓も、納骨できる日を夏場に限っているところがある(例:旭川市は5月〜10月の友引)
- 春先は工事の申し込みが集中するため、早めに相談しておくとよい
納骨できる日は市町村ごとに決まりがちがいます。 お住まいの市町村のページで確認してください。
改葬許可の申請に要るもの
申請先はいま遺骨が納められているお墓がある市町村です。 引っ越し先の市町村ではありません。ここを間違える方が多いところです。
- 改葬許可申請書(役所の窓口かホームページで入手)
- 埋蔵証明書(いまの墓地の管理者・お寺が書いてくれる)
- 受入証明書(新しい移し先が発行する)
- 申請者の本人確認書類
必要な書類や様式は市町村ごとに少しずつちがいます。 遺骨1体につき1枚の許可証が出るのが原則です。
次に読む
- 手続きフロー(イラスト図解) — どこに申請し、誰に何を頼むかを順番どおりに
- 市町村が運営するお墓をさがす(179市町村の墓地と合葬墓)
- 北海道に墓じまいの補助金はあるのか
- 改葬件数のデータと、その正しい読み方
掲載内容は各自治体の公式サイトをもとにまとめたものです。料金や条件は変更されることがあります。お申し込みの前に、必ず各自治体にご確認ください。